本日は国際課税の勉強会「一角塾」にウェブ参加しました。
今日は、塾長の村井正先生の明治時代の家屋税に関して、日本と、英独仏との間で争いになった事件についてのレクチャーを受けました。
明治20年所得税法のときは、日本は不平等条約下にあって外国人を課税上優遇していた。その後不平等条約撤廃後、明治32年の所得税法全文改正により外国人も「居住者」であれば課税することになったとのこと。
しかし、外国人居留地に永代借地権と家屋をもっている外国人に対して、地代のほかに家屋税を課すことにしたところ、課税された外国人が反発して裁判上争いになった。英独仏は、永代借地権は新条約でも温存されており、家屋は土地の従物なので、家屋に別個に税をかけることはできないという立場だった。
ハーグ国際仲裁裁判所は、結局、英独仏の主張を認めて、家屋は土地の従物なので、永代借地権に付随するものだから、家屋に税をかけることはできないと判断しました。
ただ、日本の法律解釈上は、土地と家屋は別物であり、土地に永代借地権が設定されているとしても、それと家屋に対する課税は別に考えるべきで、本来は家屋に家屋税が課されることは当然ということになる。
結果的にハーグ国際仲裁裁判所に付託したことは失策であり、日本にとっては苦い経験となった。日本法により的確な解釈適用が必要だったのではという立場でのレクチャーでした。
明治時代の事件であり、まったく触れたことのない世界ですが、このころから国際税務問題で国際裁判に至ったケースがあるとは驚きでした。
良い天気の日曜でした。ポートインク隣の公園。
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