11月も終わりですが、なんとか授業担当(後期はかなり重い)をこなしながら、税理士業では(有難いことに)いくつかの法人決算申告にあたり、深夜を研究(執筆)活動に充てる日々が続きます。
執筆活動の方はかなり難航していて、師走になってもしばらく苦しい時期になる気配です。苦しいと言いながら、自分の意思で選択しているのでもちろん意欲をもってやっています。
OECDのGloBEルール(グローバル・ミニマム課税)は、詳細をみるとその内容が非常に複雑で、申告書の全体像を理解するのにも膨大な時間を要します。
大企業に限定適用される規則ですが、子会社ごとに、その会計上の損益と租税額に多くの税務上の複雑な調整計算を加えて所得と税額を出し、それを国ごとに合計して計算した実効税率が15%未満であれば追加ミニマム税が発生する。
それを子会社別に調整計算をして出した個別所得に応じて配分し、これに親会社持分による調整などを加えて算出した税額を合計して親会社が負担する追加税額を確定させるというような流れです。
たしかにとても画期的な制度です。国別に企業の実効税率が算出されるだけでも、大きな透明性の進歩でしょう。しかし会社側の視点からは、多大な手数と税務リスクの負担を強いられる制度でもあります。
このようなグローバル課税制度に多くの国が合意した理由の一つは、もちろん大企業による過剰な租税回避を抑制するためですが、企業側がこのような制度を受け入れて社会的責任を果たすとすればどのような条件が必要か(または既にその背景があるのか)を考えています。
気がつけば六甲アイランド内の街路樹もすっかり秋色になりました。
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