租税資料館論文集

昨日くらいから少しだけ暖かくなった気がします。単車に毎日乗っていると、幸か不幸か気温の変化に結構敏感になります。


昨年11月、光栄にも応募論文に対して租税資料館賞をいただきましたが、その第30回租税資料館賞の受賞論文はすべてHP上に掲載されています。WEB掲載による公表だけだと思っていたところに、本日、製本された租税資料館賞受賞論文集が送られてきてびっくりしました。

このようにちゃんとした製本版をもらえて有難いことです。この論文集では、上・中・下巻にわけて論文の部2作品、奨励賞の部11作品、計13点が掲載されています。全部合わせると1400ページにのぼるボリュームです。

今回の受賞作品について、ざっと題名を見渡すと、大部分は国内取引関係の税務を国内法をもとに考察するもののように見受けますが、その中にあって国際関係税務を扱っていて目を引くものが2つありました。

1つは論文の部で、租税条約における仲裁手続を取り上げて受賞されている作品です。これは1国の税務当局と納税者という対置関係の枠を超えて、複数の国家間の課税権配分を決める場面での手続を論じるもので、国際租税法を学ぶ者としてとても関心をもちました。(まだ要旨しか読めていませんが)

もう1つは、奨励賞の部で、キャプティブと外国子会社合算税制について取り上げて受賞した修士論文作品です。キャプティブとは再保険を引き受けるために海外に設立される子会社のことで、これは僕が先日ある研究会で報告したガーンジー島事件にも深く関係する内容です。(これもまだ全部は読めていませんが)

これから時間のある時にじっくり読んで勉強させてもらおうと思っています。それにしても、すべての応募論文を読み、審査して授賞を決定し、さらにすべての受賞作品に対して講評をつけるという職務を負う審査員の先生方はどんなに大変だろうと感じます。

国際租税法の分野は、これからますます発展・高度化するとともに、重要性も増していくに違いないですが、自分が少しでも力を発揮して学術的に貢献できるとすれば、この分野だという感覚があります。これを励みに、さらに研究を深めていきます。

金山知明税理士事務所・国際税務コンサルティングオフィス

神戸に事務所登録をしている税理士、米国公認会計士、大学教員です。

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